製造業で顧問弁護士をお探しの方へ-クレーム対応・契約書トラブルは弁護士まで-

製造業でのトラブル・お悩み

製造業の経営を行っていく上で、以下のようなトラブル・お悩みが生じることは避けて通れないものです。

・顧客の指示通り製造した製品について顧客からクレームを受けること

・自社が製造した製品(一部の部品)の販売先は検収を通したが、さらにその先の顧客からクレームが来たことで、販売先からクレームを受けること

・販売先と昔取り交わした基本契約が販売先に非常に有利なものであるが改訂できていないこと

・今まで書面での契約を取り交わしていない販売先から、取引基本契約を取り交わしてほしいと言われ、販売先の雛形が提示されたが、その雛形の法的なリスクが判断できないこと

・セクハラやパワハラを起こす問題社員に対してどのような対応をとればいいかわからないこと

・成果にともなって給与の改訂を行いたいが、概ね年功序列になるように定めた現在の給与規程をどうすればいいかわからないこと

・退職をした社員から残業代の請求をされたが、なぜ残業代が発生するのか、理解できていないこと

製造業における弁護士の役割

製造業の経営上の様々なトラブル・お悩みに対して、当事務所の弁護士は以下のようなことができます。

・クレーム対応に関する法的アドバイス及び代理業務

・契約書の改訂に関するアドバイス

・取引先から提示された契約書のリーガルレビュー

・問題社員への対応策の検討・アドバイス及び代理業務

・給与規程をはじめとする各種規程の整備・改訂・レビュー

・未払い残業代を発生させないようにする仕組みづくりのアドバイス

・残業代請求への対応 等

クレーム対応

クレーム対応については、まずは自社に法的責任があるクレームであるのか、それとも自社に法的責任はないクレームであるのかの別によって、その後の対応が全く変わってきます。

したがって、まずは、クレームの内容、事実関係及びそれに対する法的な評価を調査し、自社に法的責任があるのか否かを判断することが重要です。

当事務所では、会社に対するヒアリングを中心に調査を進め、認識した事実を元に、訴訟になった場合は仮定して最終的な法的判断の推測をお伝えすることが可能です。

クレームの相手方へ送付する文書のレビューやクレーム内容を公表する必要があるかの判断なども致します。

自社に法的責任があるクレームの場合には、損害を極力減らすための事後的な方策の検討が中心となります。

自社に法的責任がないクレームの場合には、取引先との関係性を考慮して現実的な解決方法を検討することになります。今後の取引が全く想定されない場合には徹底的に争うことも考えられますが、紛争には訴訟費用・弁護士費用等のコストもかかります。当事務所では、徒に紛争化させることだけを検討することはせず、経営者の意向を第一に、ビジネス上のメリット・デメリットを考慮し、解決策を提案しています。

契約書の改訂及び取引先から提示された契約書のリーガルレビュー

製造業では、古くから取引のある先とは、特に取引基本契約に類するものを締結せずに、発注書と請書のやりとり等で業務を行ってきたところが多数存在します。

しかしながら、昨今のコンプライアンス重視の風潮から、取引基本契約を出来る限り締結するとする企業が増えております。また、かなり昔に締結した取引基本契約書についても、例えば反社会的勢力排除条項を加える、個人情報に関する規定を加えるなど、改訂を行う動きが活発化しております。

そこで、契約書の改訂や取引先から新たな契約書が提示されるケースが増えており、それに対応する業務が多くなっております。

当事務所では、法的なリスクを詳細に検討しつつも、これまでの取引先との関係性なども考慮して、ビジネスを止めない契約交渉を行えるように、リーガルレビューを行っております。

問題社員対応

労働者の権利意識の高まりによって、近年、パワハラやセクハラといったハラスメント問題が表面化する事態が急増し、弁護士への相談件数も急増しています。法人において充分な対策をとっていたとしても、極端な例ではありますが、自己の立場を守るために、いわゆる虚偽申告や冤罪的なハラスメント申告がなされることも実際に出てきています。

ハラスメント申告に対しては、申告した側と申告された側の事実認識が異なることも多く存在し、事実に対する評価が喰い違っていることも多々あります。また、役員が申告される側に回ることや関与していると申告されることも多く、法人内の役職員による調査・裁定にむかない事例も多いです。

そこで当事務所は、顧問弁護士として、またはスポットでの依頼を受け、第三者的な立場から、ハラスメントについてのヒアリングを中心とした調査、法的にハラスメントと言えるのかの判断及びハラスメントと判断したときの責任についてのアドバイス等を行っております。さらに、ハラスメント等の問題行動を繰り返す社員がいるときには、その人事的処遇についてもアドバイス等を行っております。

各種規程の整備

近年、これまでの年功序列型の賃金体系では、優秀な新人採用が行えず、また優秀な若い人材から辞めていってしまうという事態が生じるため、ある程度成果を出した者を評価する賃金体系に変更したいが、具体的にどのように規程を変更すれば良いか、また、どのような手続を踏んで変更すれば良いのかわからないという相談が増えております。

また、賃金規程に限らず、法人の規模が拡大し、特に会社が上場を目指すともなれば、法人内の様々な規程を制定・拡充していかなければならなくなります。

特に人事労務分野の規程については、個々の法人の実情に応じて整備を行い、規程の内容をカスタマイズする必要があり、単に雛形を使うだけですまないことが多いのが実情です。

当事務所では、個々の規程についてのリーガルチェックから、法人内の全体の規程の整備まで、様々なアドバイス等を行っております。

未払い残業代への対応

製造業では、どんなに残業が生じないように努力しても、発注量が時期的に偏った場合などで、どうしても残業が発生する場合があると思います。従業員を確保し、定着させるためには、労働時間を正しい把握や、サービス残業(未払残業)がないようにする必要があります。

よくある事例としては、会社としては正しいものと思い込んでいたとしても、タイムカードの打刻のタイミングや、15分未満の切り捨て、1ヵ月単位の変形労働時間制における残業時間の認識の誤りなどが原因で、未払い残業代が発生していることがあります。 当事務所では、法令への適合性の調査、改善のための助言など労働時間管理を適正に行うためのサポートを提供し、かつ、実際に未払い残業代を請求された対応についてもアドバイスを致します。

Last Updated on 2024年8月19日 by sicoh-law-com


この記事の執筆者:至高法律事務所
事務所メッセージ
社会の課題に対し、私どもは「世のため、人のために尽くすことが、人間として最高の行為である」という理念にもとづき、これまで培ってきた法的技術やノウハウを駆使した創造的な解決策を提供することでこれを解決し、持続可能な人類・社会の進歩発展に貢献するという経営理念の実現に向けた挑戦を日々続けております。そして、「至高」という事務所名に込めた「社会正義の実現」、「社会の最大の幸福の実現」、「持続可能な人類社会の実現」に貢献するという高い志をもって努力をし続けて参ります。

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    製造業と契約書 ― 安心してビジネスを進めるために

    1. 製造業における契約書の重要性

    製造業は、原材料の調達から製品の設計、加工、販売に至るまで、多くの工程が連携して成り立っています。そのため、取引先との間で「どのような条件で」「どこまで責任を負うか」を明確にしておかなければ、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。そこで重要となるのが契約書です。

    契約書とは、当事者同士が合意した内容を文書にしたものです。単なる口約束ではなく、証拠として残るため、万が一トラブルが起きたときに法的に保護されやすいのが特徴です。特に製造業では、以下のような場面で契約書が取り交わされることが多いです。

    ①委託者から製品またはその部品の発注を受ける場合

    製造委託契約・取引基本契約書・個別契約書

    ②下請業者に製造を委託する場合

    製造委託契約・取引基本契約書・個別契約書

    ③部品や原材料を仕入れる場合

    売買契約・取引基本契約書・個別契約書

    ④製造委託を受ける前の検討段階など設計図や技術情報を共有する場合

    秘密保持契約(NDA)

    例えば、—ある企業が委託者から製品の製造の委託を受け、その一部の製造を再委託したところ、納期遅延や品質不良が頻発し、委託者へ損害賠償等を支払わざるをえなくなった。しかし、再委託先との契約書には「納期遅延時の違約金」や「検品基準」が明記されておらず、損害賠償を請求できなかった。―という事例は珍しくありません。このように、契約書は事前にリスクを想定し、トラブルを未然に防ぐための「盾」となるものです。

    2. 製造業でよく使われる契約書の種類とポイント

    製造業で登場する契約書には様々な種類があります。それぞれの契約書には押さえるべきポイントがあり、見落とすと不利な立場に立たされることがあります。

    (1) 製造委託契約書

    自社で設計した製品を他社に製造してもらう契約です。ここでは「仕様変更時の責任分担」「検品基準」「納期」「瑕疵担保責任(欠陥があった場合の修理・交換義務)」などを明確にすることが重要です。

    (2) 売買契約書

    部品や材料の売買に関する契約です。代金の支払条件、納品場所、引渡し時点でのリスク移転(所有権が誰にあるか)をしっかり決めておかないと、配送中の事故などで揉める可能性があります。

    (3) 秘密保持契約(NDA)

    製造業は技術力が競争力の源泉です。図面や試作品の情報が流出すれば大きな損失になります。NDAを締結しておけば、情報漏えい時に責任追及が可能です。

    (4) 業務委託契約

    製品の一部もしくは全部の製造、又は、製品の検査や物流などを外部に委託する場合に用いられます。成果物の範囲や再委託の可否、事故が起きた場合の責任分担を明記する必要があります。

    これらの契約書はいずれも「雛形(ひながた)」が存在しますが、業種や取引内容によって必要な条項は大きく異なります。インターネット上の一般的な雛形をそのまま利用すると、自社のリスクに対応できないケースも多いため、注意が必要です。

    3. 契約書で特に注意すべき条項

    契約書には数多くの条項がありますが、製造業で特に重要なものを具体例とともに紹介します。

    (1) 納期と遅延損害金

    「納期を守ること」は製造業における信用の基盤です。納期遅延が発生した場合、どの程度の違約金を支払うのかを定めておくことが、トラブル防止につながります。

    (2) 品質保証と検査

    製品の不良率が高いと、リコールや取引停止につながります。契約書には検品方法、品質保証期間、不良品が発生した場合の処理方法を明記しておきましょう。

    (3) 知的財産権の扱い

    製品設計やノウハウが関わる取引では、「知的財産権(特許や商標などの権利)」が誰に帰属するかが大問題となります。例えば「共同開発した新製品の権利がどちらに帰属するのか」を曖昧にすると、将来の特許収益で揉める可能性があります。

    (4) 損害賠償責任

    契約違反や製品欠陥により発生した損害を、どこまで賠償するのかを決めておかないと、想定外の高額請求を受けるリスクがあります。

    これらの条項は専門的で難しく感じられるかもしれませんが、契約書を作成・確認する際には必ず注目すべき項目です。

    4. 契約トラブルの事例と教訓

    実際に起こったトラブル事例を見てみましょう。

    事例1:納期遅延による取引停止

    ある企業は海外工場に製造を依頼しましたが、納期が数か月遅れました。契約書には遅延時の対応が記載されておらず、納期を守れないたびに顧客からのクレームが殺到。最終的には主要取引先を失いました。

    教訓:契約書には必ず「納期遅延時の違約金」や「契約解除権」を盛り込むべきです。

    事例2:品質不良によるリコール

    部品供給契約を結んでいた会社から、不良率の高い部品が納品されました。契約書には品質保証の詳細がなく、リコール費用をすべて自社で負担する羽目に。

    教訓:検査基準や不良品対応を明記することで、責任の所在を明確にしておく必要があります。

    事例3:知的財産権の帰属を巡る紛争

    共同で開発した製品の特許を巡って、取引先と裁判になった企業もあります。「特許は共同所有」と契約書に記載したものの、使用範囲や利益配分、それを決める手続きが定められておらず、事業化が進められませんでした。

    教訓:知的財産権は「誰がどこまで利用できるか」または、そこまで具体的に決められない場合でも、それらを決める手続きを具体的に記載する必要があります。

    このような事例からもわかるように、契約書を軽視すると企業活動そのものに大きな影響を及ぼします。

    5. 契約書を弁護士に依頼するメリット

    「自社でも雛形を作れるのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、弁護士に依頼することで得られるメリットは大きいのです。

    (1) リスクの見落としを防げる

    弁護士は数多くの契約トラブル事例を知っています。そのため、企業が気づきにくいリスクを事前に洗い出すことができます。

    (2) 自社の立場を最大限に守れる

    契約は交渉です。相手に有利な条件が提示されたときも、弁護士が交渉に関与すれば、自社にとって不利にならないよう修正が可能です。

    (3) 交渉力の強化

    「弁護士にチェックしてもらっている」と伝えるだけで、相手は安易な要求をしづらくなります。結果的に有利な契約が結びやすくなります。

    (4) 社内負担の軽減

    契約書の確認には法的知識と時間が必要です。弁護士に任せることで、社内リソースを本業に集中させることができます。

    6. まとめ ― 契約で企業を守る第一歩

    製造業における契約書は、取引の安心と信頼を支える「盾」であり、トラブルを未然に防ぐ「予防策」です。納期、品質、知的財産、損害賠償など、見落とせば企業の存続に関わるリスクが潜んでいます。

    雛形をそのまま使うのではなく、自社の取引内容に即した契約書を用意することが大切です。そのためには、経験豊富な弁護士のサポートが不可欠です。

    私たち法律事務所では、製造業を中心とした多くの契約書作成・レビューに携わってきました。企業の実情に合わせたオーダーメイドの契約書を提供し、安心して事業を展開できるよう支援いたします。

    契約に不安を感じている方、今まさに取引先との契約を控えている方は、ぜひ一度ご相談ください。初回相談では、具体的な事例を踏まえながら、自社に必要なポイントを整理するお手伝いをいたします。

    企業の未来を守る第一歩として、契約書の見直しから始めてみませんか。

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    製造業経営者のためのクレーム対応について弁護士が解説

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    製造業特有のクレーム対応について弁護士が解説

    弁護士に相談すべき製造業におけるクレームとは

    製造業を営む企業にとって、クレームは避けて通れない問題です。品質管理を徹底していても、使用環境や消費者の取り扱い方、部品供給元の不具合など、さまざまな要因でクレームが発生します。しかし、すべてのクレームに対して弁護士に相談すべきというわけではありません。ここでは、特に弁護士への相談を強くおすすめするクレームの特徴をご紹介します。

    (1) 人の命や重大な財産に関わるクレーム

    製品の欠陥が原因で事故や怪我、火災などが発生した場合、損害賠償責任を問われる可能性があります。このような場合、製造物責任法(PL法)が適用され、企業は「過失」がなくても損害を賠償しなければならないことがあります。仮に製品自体に欠陥がなかったとしても、被害者側との認識のズレや証拠不足から不利な立場に立たされることもあります。早期に弁護士に相談し、適切な初動を取ることでリスクを大きく下げることができます。

    (2) 広範囲の製品に問題があるかもしれないクレーム

    「1件のクレームが、実は数百個の製品に共通する問題だった」といった事例は、過去にも多数あります。たとえば、ある部品に不具合が見つかった場合、それがすべてのロットに共通する仕様ミスであれば、回収(リコール)が必要になる可能性も。放置すれば、企業の信用失墜や行政指導につながることもあります。被害拡大を防ぐためにも、クレームの背後にある全体像を法的視点で検討する必要があります。

    (3) 原因が複雑すぎて分からないクレーム(自社製品に過失があるのか不明)

    原因が他社製品との組み合わせ、使い方、輸送中の破損などに起因する可能性もあるケースでは、責任の所在が曖昧です。自社に責任がないのに対応を誤ると、「認めた」と捉えられてしまう危険性もあります。このようなときは、法的リスクと技術的リスクを総合的に分析し、慎重に対応を進める必要があるため、第三者である弁護士の介入が有効です。

    (4) サプライチェーン全体が絡むクレーム

    たとえば、下請け業者からの部品不良が原因で完成品に不具合が生じた場合、元請企業としては発注先と消費者の両方との調整が必要です。このような場面では、下請法(下請代金支払遅延等防止法)との兼ね合いも出てきます。法律関係者の関与により、交渉や補償のバランスを図ることが重要です。

    (5) 会社の信用や事業に悪影響が出かねないクレーム

    インターネットやSNSの普及により、1件のクレームが瞬時に拡散し、企業イメージに打撃を与えるリスクも増しています。対応を誤ると、「顧客対応が悪い会社」という印象を植え付けられてしまい、取引先や株主からの信頼も揺らぎます。このような影響を最小限に抑えるには、冷静かつ戦略的な対応が必要です。

    (6) 明らかに「悪質なクレーマー」からの不当な要求

    中には、過大な金銭を要求してくる、あるいは脅迫的な言動を繰り返すなど、悪質なクレーマーも存在します。このような相手に対しては、毅然とした態度で臨むとともに、必要に応じて法的措置(例:警察への相談、損害賠償請求)も視野に入れる必要があります。弁護士が前面に出ることで、相手も不当な要求を控える傾向にあります。

    製造業がクレーム対応を弁護士に任せるメリット

    クレームが発生したとき、「まずは自社で対応しよう」と考える企業は少なくありません。しかし、事態が複雑化すればするほど、社内だけでの解決は困難になります。ここでは、製造業が弁護士にクレーム対応を任せることで得られる主なメリットを5つご紹介します。

    (1) 法的リスクを最小限に抑え、余計な出費を防ぐ

    製造物責任法(PL法)や下請法など、製造業に関連する法律は多岐にわたります。知らずに対応すると、本来負う必要のない責任まで認めてしまったり、違法な対応をしてしまったりするおそれもあります。たとえば、「とりあえず謝罪と返金で済ませたつもりが、損害賠償請求に発展した」というケースもあります。弁護士が関与することで、初動から法的な正当性を確保でき、不要な出費や訴訟リスクを回避できます。

    (2) 弁護士が交渉することでスムーズな解決へ

    クレーム対応は相手とのコミュニケーションが非常に重要です。感情的なやりとりになりやすく、社員が対応することでストレスやトラブルが拡大することもあります。弁護士が間に入れば、冷静で客観的な立場から交渉が行え、問題を迅速かつ円満に解決しやすくなります。また、弁護士が関与しているというだけで、相手が過剰な要求を控える場合もあります。

    (3) 正確な証拠固め

    問題の本質を明らかにするには、適切な証拠の収集と保存が欠かせません。使用状況のヒアリング、製造工程の検証、出荷記録、契約書や取引履歴など、多くの資料が関係します。弁護士が主導すれば、訴訟を想定した証拠固めが可能となり、いざというときに有利な立場を築けます。

    (4) 会社の信頼とブランドイメージを守る

    クレーム対応の仕方は、企業の姿勢を外部に示す重要な場面です。適切な対応ができれば、「誠実な会社だ」という評価にもつながります。一方で、対応が後手に回ったり、法的に問題のある対処をしたりしてしまうと、無用な信頼失墜につながりかねません。弁護士が関わることで、企業として一貫性のあるメッセージを打ち出し、ブランド価値を維持・向上させることができます。

    (5) クレームを「学びに変える」法的アドバイス

    クレームは「危機」であると同時に、企業が成長するチャンスでもあります。弁護士は、再発防止策の策定や契約書の見直し、内部フローの改善提案など、法的観点から建設的なアドバイスを行います。たとえば、過去にあった「部品供給元との契約に保証条項がなかったために損害を一方的に被った」というケースでは、契約書を見直すことで将来のリスクを大幅に軽減することができました。

    弁護士に依頼した後のクレーム解決までの具体的な流れ

    「クレーム対応を弁護士に依頼すると、実際にどう進むのか分からない」という声をよく耳にします。そこで、ここでは弁護士がクレーム対応を受任した後、どのような流れで問題を解決へと導くのかを、実際の対応プロセスに沿ってご紹介します。

    (1) 徹底的な情報共有と初期分析

    まず行うのは、クレームの内容に関する詳細な情報収集です。どのような製品で、いつ・どこで・どのような問題が発生したのか、誰がどのような要求をしてきているのかなど、関係者からヒアリングを行い、関連書類(契約書、製造記録、検査報告書、顧客対応履歴など)を徹底的に確認します。

    弁護士はこの段階で、事案の法的リスクや交渉の余地を分析し、企業側に「想定される展開」と「とるべき方針案」を提示します。初動対応が肝心ですので、スピーディーかつ慎重に動きます。

    (2) お客様(クレーマー)への接触と証拠の検証

    次に、相手方との接触を行います。ここでのポイントは、相手方の主張や感情を丁寧に受け止めつつも、事実に基づいた主張を構築していくことです。

    仮に相手が感情的であっても、弁護士が介入することで冷静な話し合いの土台を作ることができます。また、クレームの原因を検証するために、製品の返送依頼や実地調査なども実施することがあります。このとき、誤解や誇張を防ぐために証拠を中立的に整理し、将来的な訴訟リスクにも備えます。

    (3) 交渉、和解、訴訟対応

    情報整理が終わったら、本格的な交渉に入ります。金銭の支払いで解決するのか、修理・交換対応で済むのか、再発防止策の説明が必要かなど、相手の要求と企業の対応可能な範囲をすり合わせながら、納得解を目指します。

    多くのケースでは交渉段階で和解に至りますが、万が一、訴訟に発展した場合でも、すでに証拠や主張の準備が整っていれば、有利な立場で争うことができます。もちろん、裁判以外のADR(裁判外紛争解決手続)も検討に入れ、負担を抑える方策も併せて提示します。

    (4) 解決後の予防法務

    クレームが収束した後も、弁護士の役割は終わりません。今回の事案から得た教訓をもとに、契約書やマニュアルの見直し、社内教育の実施、チェック体制の整備など、同じような問題が再発しないようにアドバイスを行います。

    たとえば、過去の対応事例では、「取扱説明書に記載されていなかった使用上の注意点」がクレームの原因だったため、以降すべての製品マニュアルを見直したことで、同種のクレームがゼロになったという成果もありました。

    このように、単なる「火消し」に終わらせず、企業のリスクマネジメントの一環として、クレーム対応を位置づけていくことが弁護士の使命でもあります。

    当事務所のサポート内容

    当事務所では、製造業の企業様から寄せられるクレーム対応に関するご相談に対して、事案ごとに最適なリーガルサポートを提供しています。以下に、当事務所の具体的な対応内容と、過去に取り扱った代表的な事例をご紹介します。

    クレーム対応におけるリーガルサポートの全体像

    まず、弁護士による初回相談では、製品の性質やクレームの内容、発生の背景、相手方の主張やこれまでの社内対応の経緯などを丁寧にヒアリングいたします。この段階で「緊急性の有無」や「社内外への影響度」、「法的リスクの程度」を総合的に分析し、企業側に最も適切な対応策をご提案します。

    その後、以下のような対応を必要に応じて実施します。

    • 相手方との交渉・和解案の提示
    • リスク評価と対応戦略の策定
    • 必要書類(報告書、回答書、通知書など)の作成・修正
    • 製造元・仕入先・販売業者との連携調整
    • 必要に応じて裁判・調停・ADRの代理
    • 解決後の再発防止のためのアドバイスや社内体制の整備支援

    実際の解決事例

    以下は、実際に当事務所が対応した事例の一部です。

    ケース①:小型家電メーカーに対するPL法を巡る損害賠償請求

    クレーム内容は「使用中に家電が発火し、カーテンが焼けた」との主張。被害者側はSNSで拡散を図り、対応を誤ると企業イメージが大きく傷つく懸念がありました。当事務所では、製品の使用状況と保管状況を含めて調査を行い、証拠保全と原因分析をサポート。結果として、当該製品に欠陥がないことを立証し、弁護士が交渉窓口となることで拡散を抑え、損害賠償請求を回避しました。

    ケース②:下請業者からの部品供給不良による完成品リコール対応

    部品の一部に不良が発覚し、大手量販店からの回収要請が入りました。原因は下請業者の工程ミスでありましたが、契約書には責任分界点が明記されておらず、交渉が難航。弁護士が両者の契約解釈と交渉をリードし、下請業者から費用の一部補償を得る形での和解に至りました。同時に契約書の見直しを行い、今後のリスクを最小化しました。

    予防法務としてのアドバイザリー契約も対応可能

    突発的なクレーム対応だけでなく、日常的なリスク管理を行いたい企業様には、継続的なリーガルアドバイザリー契約もご案内しています。これにより、社内の品質管理・契約審査・従業員教育といった多方面にわたる支援を受けることが可能です。

    最後に:クレーム対応を「守り」から「攻め」の企業戦略へ

    製造業にとってクレームは避けて通れない課題ですが、対応の仕方によっては企業価値を高めるチャンスにもなり得ます。適切な法的対応ができれば、トラブルの早期収束はもちろん、将来の予防法務にもつながります。

    「クレーム対応を、もう一人で悩まないでください。」

    当事務所では、豊富な製造業支援実績をもとに、御社に寄り添った法的支援を行っています。
    まずはお気軽に、無料相談をご利用ください。

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